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コラム

落葉樹の森~未来を開く若者達へ~ A deciduous forest

2010年12月15日

「ひとつの文化しか知らない人は、窓がひとつしかない家に住んでいると同じこと。新しい文化に出会うと新しい窓がひとつ開く。様々な文化や人々にふれてたくさん窓がある家に住みなさい」。これは尊敬する友人、バイロン・シュナイダー博士(ミネソタ州立大学)が、父親から口ぐせのように聞かされた言葉です。その父親は、オーストリアでテーラー(洋服の仕立屋さん)をしていましたが、やがてフランスに移り、そして大西洋を渡ってアメリカに移住しました。
第ニ次世界大戦前のことですが、この「窓がたくさんある家」のたとえは、現代に住む私たちにもかけがえのないメッセージです。
私はこの話から、森の木々のことを思い浮かべました。
日本の里山は、杉など針葉樹の人工林が広い面積を占めています。しかし今各地で、その中に色々な落葉樹も植え、森を再生する取り組みが行われております。
そうすると、うっそうとしていた森の地面にまで太陽の光が届き、種々の植物が一斉に芽を出しました。どんぐりなどの木の実が生って、たくさんの鳥や動物もやってくるようになりました。
葉は二酸化炭素を吸って、あらゆる生命体に必要な酸素を作り出す光合成を活発に行なって、環境にも良い影響が出ています。
森も人間も、この地球の生物です。人の営みにも同じことが言えるのではないでしょうか。針葉樹の森のように周りがみな同じ環境の中に暮らす私達が、もし異なった文化や言葉、生活の仕方、考え方を持っている人たちに出会うことが出来たらどうでしょう。
落葉樹の森に陽が差し始めるように、きっと心にさんさんと光が溢れて、光合成のように脳も活性化し始めます。世界には多様な文化があり、温かいハートを持った人々が住んでいて、今まで想像もしなかった「ものの考え方」があることに新鮮な驚きを感じることでしょう。
その驚きや感動が未知の世界に対しての興味や夢を一気にふくらませます。これから自分は何をしたいのか、どのように生きるのか。将来へ向かって大きな希望とエネルギーが湧いてきます。
この劇的な変化、喜びを「未来の開拓者となる若者たち」に体験してもらうことがユートレックの国際交流の願いです。積極的に世界の人々と関わりを持ちながら、互いに学び合い、人生を豊かなものにすると共に、落葉樹の森がたくさんの酸素を供給するように、周囲や世界に役立つ存在になってほしいと思います。

ユートレック国際交流センター
代表 宮崎哲人

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